Story 02

経済成長著しいベトナムから拡がる
丸紅テクノシステムのグローバルネットワーク

2019年7月19日 取材

“インスタントラーメンからロケットまで”
幅広い商材を扱う「商社の仕事」が凝縮

2018年4月、丸紅テクノシステム・ベトナム会社が新たなスタートを切った。“これからのベトナムが面白い”。このマーケットで社長に任命されたのは、産業機械一筋20年、ドイツで3年間の駐在経験もした森隆治だ。
従来は工作機械に特化した拠点であったが、更に取扱い商品を一般的な産業機械にも広げた。お客様のニーズがある産業機械は何でも取り扱い、その守備範囲はかなり広い。「朝は冷凍食品加工機械の説明をして、午後からは太陽光発電設備の技術打ち合わせ、さらに次の会議では自動車用部品の工作機械の提案、といったことは日常茶飯事です。丸紅テクノシステムの各事業部とコミュニケーションを精力的に取り、それがベトナムのどんな企業に売れそうかを考え、営業をしています」
入社後、長くPETボトルの成形機を販売していた経験から、そのプラスチック加工・成形機周りが自身の強みではあるものの、ドイツ帰国後から手掛け続ける太陽光発電の商材にも力を入れて活動する。

丸紅テクノシステム・ベトナム 森社長

ベトナム会社では「待っていても仕事は来ない」。省エネ設備や自動化などの設備の話から生産ラインの歩留まり改善の提案まで、お客様の元へ提案に出向く。
「ベトナムでも再生可能エネルギーの機運が高まっており、太陽光発電機器は様々なお客様に、共通して話題となる商材です。今日はプラスチック加工メーカー、明日は飲料メーカー、明後日は自動車メーカーと、分野を選ばず営業に行くことができます。太陽光を切り口に、訪問した営業先に我々の提案をぶつけ、またその中で今抱えている困りごとを聞き出し、それを解決できる様々な提案を丸紅テクノシステムの方々と協力して練り出しては提案に行く、その繰返しです。ドイツのスタッフに『僕達は日本の本社のExtended Armなんだ』と言われた言葉を思い出して、意思を持って操られてます」

“明日はもっと良くなる” 若くて活気に溢れた、成長市場

ホーチミンの中心街の三和ビルで活気のある職場

ベトナム人は思いやりがあり心温かい人が多い。質問をすると、相手の喜ぶ答えを返してくる傾向がある。例えば“もうやったよね?”と尋ねると、笑顔で“やりました!”と答えが返って来ます。まだ指示はしてないのに、、、
「こちらに気を遣ったコミュニケーションをしてくれるので、Yes/Noの質問をすると全く違った内容になってしまいます。それはお客様でも仲間でも一緒です。曖昧な所や重要な所は何度も方法を変えて確認していくことが重要ですね」

一方で、今、経済が急成長しているのが、ベトナムの特長でもある。人口は9,600万人を超え、毎年約100万人ずつ増えている。平均年齢は30歳で、誰もが“明日はもっと良い日になる“と信じている、若く、活気のある国だ。
「ベトナムは今、産業・工作機械に最も商機がある国の1つだと感じています。輸出の生産拠点でありながらも自国での消費も強い。離島もなく国土全体がインドシナ半島に位置しているため、日本からのアクセスは抜群、アジア他国であるような宗教上の難しさもありません」

ベトナムでの成功体験が、次の市場開拓に活きる

“ビジネスを通してベトナムの経済成長を肌で感じる”という。
何でも可能性がある市場ではあるものの、自分のアンテナの感度が悪いと情報が流れていってしまう。常に意識してアンテナを高く、感度良くすることで新しい発見、発展につなげていける、またその可能性がこのベトナムにはあると確信している。市場があるのだから、あとは自分の問題だ。その為にも常に何かを感じ、考える癖をつけている。ベトナム赴任に向けた自分に言い聞かせた言葉は “SERENDIPITY”という言葉だそうだ。
今後、丸紅テクノシステムは次の国、マーケットへ進んでいく。ベトナムのようなポテンシャルのある国が出現すれば、次はそこを狙いにいくことになる。
「それは、アフリカかもしれませんが、私のベトナムでの成功が、丸紅テクノシステムの次の海外展開の方向性を決めるための重要な要素になると考えています。その意味では結果が重要であり、プレッシャーは感じてます」
ベトナムと日本の時差は2時間。時差が8時間ほどもある欧州に比べ、リアルタイムで働ける分、働きやすい環境と言える。現在、オフィスはホーチミンの一等地にあり、観光客も多く活気に溢れた、成長まっただ中のベトナムを目の当たりにできる場所だ。

取り扱う商品のラインナップは数え切れないほどあるが、従来は主に日系企業に販売してきた。新しい試みとしてベトナム地場のコングロマリットへのアクセスも開始、プラスチックリサイクルをはじめとした新たなビジネス分野への挑戦も果敢に進めている。

ベトナムの経済成長とともにビジネスを成長させ、丸紅テクノシステムの拠点も更に大きく拡張する、そして成長市場の最前線で次の成長市場を見極めてベトナム会社のような海外拠点を新たにつくってグローバルネットワークを拡げていく。
そうして築かれたグローバルネットワークを活用して丸紅テクノシステムの事業が拡大される、こうした商社の海外展開の流れにおいて丸紅テクノシステム・ベトナムは世界中にグローバルネットワークを拡げる丸紅テクノシステムの「最前線基地」なのである。
ネットワークの拡大にあたっては、丸紅グループの連携による「オール丸紅」での取り組みはもちろんのこと、ベトナムに進出する他の日系の企業や日本人との交流も活発に行いオールジャパンで取り組んでいる。

プライベートでは、ベトナムで知り合った仲間と『日越野球協会』を立ち上げた。週末には様々な理由でベトナムに暮らす日本人が集まり、一緒にプレーしている。組織は既に100人を超えるまでになり、カンボジアやミャンマーとのチームとの対戦も行っている。目下リーグ戦の真っ只中だそうだ。

「日本人の少年野球チームでもパパさんコーチもやってます。仕事を離れてお会いした方々とは逆にお仕事の話をさせて頂いたりもして、日々刺激を頂いております。1人1人との出会いを大切に、これからもネットワークを広げていきたいと思っています」と語る森社長。今、丸紅テクノシステムのベトナムは「プレイボール」である!